看護セミナー Seminar

2024年10月17日開催 株式会社ソシエテ コモレビナーシングステーション新宿 管理者 谷澤 早紀先生 精神科訪問看護でこれだけは知っておきたい知識とスキル

精神科の疾患を抱えている入居者、利用者に対しどのように接するのが良いのか?
どういったお声掛けが良いのか?など、対応の仕方や自分たちのケアについて、非常に丁寧にやさしくご講義いただきました。

受講者の皆様からのご質問に、谷澤先生にお答えいただきました!
Q1 スタッフの状態確認の具体的な方法の内容を教えて頂けますでしょうか? A 直接的な回答になっていないかもしれませんが、スライドでご紹介させていただいた弊社の取り組みの具体的なところについて少し記載させていただきますね。

・週1回のチェックイン
週の初めに朝会をしており、そこで自身の心身の体調を5段階評価してその理由も添えて一人ずつその日のコンディションを簡単に共有していく時間をとっています。お互いの状況を知り合うことでフォローしあえたり、自分のコンディションをキャッチする機会にもなっています。

・1on1
管理者層のメンバーとスタッフで実施しています。
スタッフの最近の困りごとや気になっていることなどをなんでも拾い上げる場となっています。
Q2 妄想のある方で、「職員が〇〇なことを言ったからデイに行きたくない」と言われる利用者がいるのですが(事実ではない)、どう対応したら良いのでしょうか?過去に家族が妄想に対して否定すると立腹されることがあったそうです。今度面会した時に、本人の思いを聞いてくる予定ですが、本人の思うがままにデイを辞めてしまって良いのか・・それが根本的な解決方法ではないと感じており判断に迷うところです。 A その利用者は訪問看護サービスを利用されている方か施設にいらっしゃる方でしょうか。どちらにおいても、その利用者さんは日々をどう生活したいのか?デイケアに行く目的は何か?を本人とスタッフで確認することが大事かと思いました。本人の「こんなふうに生活したい」という希望が確認できたら、そのためにデイケアに行くことがどういう位置づけにあるのか(デイケアに行く目的は何なのか)を紐づけていくことが大切かと思いました。「職員が〇〇したから行かない」ではなく「あなたの望む生活のためにデイケアが必要なのであれば、どうしたらデイケアに行くことができるか」を一緒に考えよう、と本人と話していくイメージです。もしデイケアに行くことを本人が納得していなかったり行く意義を本人が感じられていなければ、まずはそこから本人とすり合わせをしていくことが大切かと思いました。

整理しますと、
①本人はどう生活したいのか、②本人にとってのデイケアにいく意義や目的はなにか(それは①とどう紐づいているのか)を整理していく。
Q3 意思疎通がなかなか難しい利用者様に対しての対話、気持ちを聞き出す方法を教えて頂けますでしょうか。よろしくお願いいたします。 A 意思疎通が難しい要因によっては的外れな回答になるかもしれないのですが、何か参考になれば幸いです。
その利用者は、精神症状やタイミング(午前や午後など)など特定の条件下でいつもより意思疎通が図れるときなどはある方でしょうか。もし意思疎通が図れる程度に波がある場合は、どんなときだと意思疎通が図れるかを観察していくことも一つかと思いました。(例えば、疲れていない午前中や夜しっかり眠れた日など)
または、話すことが難しい方であれば紙ベースでやりとりしたり、その人にとってコミュニケーションがとりやすい媒体を活用するのも一つかと思いました。
関係性がまだできていないことによってコミュニケーションが難しい場合、まずはその人の好きなものや関心のあるテーマにこちらも関心を寄せて対話を重ねていくのも一つかと思います。

①意思疎通の程度に波がある場合、どのようなタイミングや条件下だと意思疎通が図りやすいかを観察していく
②本人にとって意思疎通しやすい媒体を活用する
③本人の好きなものや関心のあるテーマについての対話を通して、本人の思いなどを理解していく